日本語の動詞の活用を整理(自分用)

 日本語の動詞の活用についてですが、学校文法ではあまりスマートでないような気がするので自分なりにまとめてみました。

動詞の種類

・五段動詞(「書く」「話す」)

・一段動詞(「見る」「食べる」)

・不規則動詞(「する」「来る」)

 外国人向けの日本語教材だとこのように分類するのが一般的と聞いたことがあります。分かりやすいので採用しました。日本語の動詞は語尾 -(r)u で終わります。

 五段動詞は子音幹動詞であり、kak-u のように子音で終わる語幹を持っています。一方、一段動詞は母音幹動詞であり、mi-ru のように母音 i または e で終わる語幹を持ちます。不規則動詞は後ろにつく助動詞によって語幹が変化する動詞で、基本的に「する」「来る」の2つしかありません。*1

活用の原則

 日本語の動詞が活用するときは、可能な限り子音と母音が交互に来るという原則があります。例えば、否定の助動詞 -(a)nai を動詞に付ける場合には、kak-anai、mi-nai のように a が出現したり消滅したりすることでこの原則を満たしています。

助動詞の種類

 基本的な助動詞を学校文法での活用形ごとに分類してみました。

・未然形

 否定 -(a)nai、受動 -(r)are-ru、使役 -(s)ase-ru、意思 -(y)ō

・連用形

 丁寧 -(i)mas-u、過去 -(i)ta、接続 -(i)te

・終止/連体形

 終止 -(r)u、禁止 -(r)una

・仮定形

 仮定 -(r)eba

・命令形

 五段動詞の場合 -e、一段動詞の場合 -ro

 このように見ていくと、学校文法で同じ活用形に分類されていてもその中身は様々だと分かります。過去/接続形の場合、五段動詞では音便が起こるため必ずしもこの通りではありません。

不規則動詞

 「する」「来る」は語幹が変化する不規則動詞です。

否定/意思形 si-、ko-

受動/使役形 s-、ko-

連用形 si-、ki-

終止/連体形 su-、ku-

仮定形 su-、ku-

命令形 si-、koi

 連用形は語幹が s-、k- とも解釈できますね。命令形「来い」は他のどの動詞とも似ていない特殊な形です。

音便

 五段動詞 +「た」「て」では音便が起こります。元の子音が有声音だと「た」が「だ」になりやすいですね。

kita > ita, gita > ida

sita (音便なし)

tita, rita, wita > tta

nita, bita, mita > nda

可能動詞

 学校文法では可能動詞という概念がありますが、可能の助動詞 -(r)e-ru と解釈する方が簡潔です。五段動詞では一般的な表現ですが、一段動詞*2では「ら抜き言葉」と呼ばれ、砕けた表現とされています。

です・ます

 「です」「ます」は動詞型の助動詞ですが、否定形と意思形が例外的です。

 「です」は否定形を取れないため、「ではありません」のように言います。*3一方、「ます」の否定形は「ません」という形になります。「ません」の過去形は「ませんでした」となります。

 また、「です」「ます」の意思形は「でしょう」「ましょう」のようになります。子音幹ながら -yō が続く例外的な単語ともいえます。*4

例外

 「行く」「問う」「請う」のように音便の形が特殊なもの、「くださる」「いらっしゃる」のように丁寧形が特殊なもの(敬語に多い)、「ありうる」のように二段活用が残っているものなどがあります。

*1:「○○する」もありますが

*2:「来る」もそうですね

*3:「だ」を丁寧にしたものが「です」ですが、「だ」の否定形は「で(は)ない」になります。さらに「ない」の敬語は「ありません」なのでこうなると思われます

*4:「ません」「ましょう」はそれぞれ「ませぬ」「ませむ」が変化したものだと思われます。つまり未然形が「ませ」ということですね

【もはや暗号】日本語をチェロキー文字で書いてみよう

 

 皆さんはチェロキー文字という文字があることをご存じでしょうか。この文字はアメリカ先住民の言語の1つであるチェロキー語を表記するための文字で、全部で85文字から構成されています。とは言え、古くから使われていた文字というわけではなく、1820年頃にシクウォイアという人が独力で作り出した文字なんです。

チェロキー族の銀細工師シクウォイア

 当時は既にアメリカ合衆国が存在していて、チェロキー族も白人たちとの交流がありました。彼らはアルファベット (ラテン文字) の存在は知っていたものの、英語が話せなかったのでその読み方は理解できませんでした。

 そこで、シクウォイアは自力で文字を作り出すことを決意します。最初、彼が目指していたのはヒエログリフや漢字に近い表意文字でした。1つ1つの単語に対応する文字を作っていきましたが、このやり方では数千文字を作っても不十分で上手くいきませんでした。最終的に、シクウォイアは畑仕事を放棄して文字作りに取り組んでいたので、彼の妻や友人たちに気が狂ったと思われて文字を燃やされてしまいました。

エジプトのヒエログリフ

 しかし、シクウォイアはここで発想を転換します。彼は自分たちの言語が有限個の音の組み合わせで出来ていることに気付き、86文字*1からなるチェロキー文字を完成させたんです。

 文字を完成させた彼はチェロキー族の住む地域を駆け回ってその有用性を納得させました。最初は怪しい魔術ではないかと疑う人もいましたが、チェロキー文字は数年間で急速に広まり定着しました。これは文字を持たない民族が自力で文字を作り出した唯一の例であるとまで言われています。*2

 シクウォイア、天才では???

 

チェロキー文字を学ぼう!

 そんなチェロキー文字ですが、その仕組みは英語のアルファベットより日本語の仮名に近い音節文字です。下の表を眺めてもらえば、母音「v」や子音「qu」「tl」など日本語にない発音がいくつかある一方で、kとg、tとdの区別が不完全なのが分かると思います。

mvは今は使われてません

 全部で85文字もあるので、これを暗記するのはかなり大変だと思います。少なくとも私は無理でしたね……。ひらがなを学ぶ外国人はこんなしんどい思いをしていたのかと思わされました。

 何が大変かというと、シクウォイアはアルファベットの存在だけは知っていたので、字形が似ているのに読み方は全然違うんですよ。Ꭰ、Ꭲ、Ꭼ、Ꮃ、Ꮓ などどうしても英語の読み方が邪魔をして覚えられない。

 しかも、似た字形をしている文字が多くて区別が難しいんです。それはさっき出てきたはずでは……?と言いたくなる字が結構あります。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=wCy9fs6mem8

 その一方で、チェロキー文字は日本語を暗号っぽく表記するという、おそらくニッチな需要に答えるために最適な文字でもあると思うんですよね。共感してくれる人がいるか分からないですけど、私は昔から「部外者には読めない謎の文字」みたいなものに憧れがあって、チェロキー文字を知ったときに「これだ!」と思ったんですよ。

 なぜなら、仮名と似た仕組みの文字なのでほとんどの音節が母音で終わる日本語と相性が良いですし、母音と子音の数もそこまで違わないんです。欠点としては、清音と濁音の区別ができない場合がある、小さい「やゆよ」が表記できないなどがありますが、これは昔の日本語も同じですよね。それなら、濁点や小書き「やゆよ」がなくても意味は大体通じるはずです。

 また、チェロキー語が含まれるイロコイ語族に共通の特徴なのですが、世界中の言語にほぼ必ずある「p」の音が存在しないんですよね。日本語も「p」の音が少ないという珍しい言語なので、これもチェロキー文字が日本語と相性が良いと思う理由です。*3

 

日本語をチェロキー文字で書く

 それでは、日本語をチェロキー文字で書くにはどうしたら良いでしょうか。日本語の文をチェロキー文字で書くためのルールなんてもちろん決まっていないので、自分でルールを作る必要がありますね。

 下の表はチェロキー文字を五十音図のように並べたものです。チェロキー文字には日本語に必要ない字もいくつかあるので、以下の50文字を使うことにしましょう。

他の字と似ていて間違えやすいものは赤字で示しています

 清音・濁音・半濁音は基本的に区別しませんが、「カ・ガ」「タ・ダ」「テ・デ」は区別することができますね。「ヂ」「ヅ」をどうするかは悩みましたが、「ジ」「ズ」と同じと見なして「Ꮟ」「Ꮡ」と書くことにしましょう。そうすれば覚える文字数が減らせますからね。

 撥音(ん) は「Ꭵ」で表します。本来は鼻母音の「v /ə̃/」を表す文字ですが、「n」単体で表す文字はないので代用します。

 促音(っ) は「Ꮝ」で表します。こちらも本来は「s」*4を表す文字ですが、日本語の促音を表現するために使いましょう。*5

 長音(ー) は表記しません。チェロキー語でも表記せず文脈に頼っているようです。

 拗音(「キャ」のような音) は二文字使って「キヤ」のように表します。

 どこまで細かくルールを決める必要があるかは難しいですが、これで日本語をチェロキー文字で表記できるようになりましたね。

 

おわりに

 ᎪᎪᎹᏕ ᏲᎥᏕᎫᎴᏖ, ᎠᎵᎦᏙ ᎪᏌᎢᎹᏏᏔ. ᏩᏔᏏᏃ ᎣᎩᏂᎢᎵᏃ ᎼᏏᎭ "Ꮝ" ᏕᏑ. ᎧᏔᏥᎦ ᎧᏍᎪᎢᎢᏙ ᎣᎼᎢᎹᏑ. ᎪᏃᎩᏏᏬ ᎩᏍᎧᎨᏂ, ᏥᎡᎶᎩᎼᏏᏂ ᎩᏲᎻᏬ ᎼᏍᏖᎫᎴᏔᎳ ᎤᎴᏏᎢᏕᏑ. ᏐᎴᏕᎭ ᏌᏲᎾᎳ.*6

*1:後に1文字使わなくなった

*2:もっともこれは多少誇張されている感じがあります。とはいえ完全に自力で文字を作り出した例が少ないのは事実で、例えばラテン文字は西方ギリシア文字とエトルリア文字が元になっているらしいです。完全に0から作られた文字って実は珍しいんですよ

*3:反例にはアラビア語があって、昔は「p」の音があったのですが「f」に音変化しています。日本語も同じですが、そこからさらに「h」になっています

*4:まさかの子音単体

*5:韓国語でも「ㅅ」ですしね。発音はtですけど

*6:ここまで読んでくれて、ありがとうございました。私のお気に入りの文字は「Ꮝ」です。形がカッコいいと思います。この記事をきっかけに、チェロキー文字に興味を持ってくれたら嬉しいです。それではさようなら。

放出音言えるようになった!!

 前から密かに練習してた放出音が言えるようになったのが嬉しすぎて記事書いちゃいました。「放出音どうしても言えない!!」って人の参考になれば幸いです。

 

↓先駆者

放出音と入破音のやりかた - turgenev’s blog

 ぶっちゃけこっちを読んだ方がいいと思います。というか私自身がこれをめちゃめちゃ参考にして練習してたので、内容が思いきり被ってます。

 ただ、この方はあまり苦労せず放出音ができてしまったらしいので*1、そこそこ苦労した自分だからこそ補足できる部分もあるだろうと思ってこの記事を書いてみることにしました。

 

放出音って何?

 ちょっと変わった子音の一種です。私たちにとって比較的身近な言語である東アジアやヨーロッパの言語にはない子音なのですが、カフカス地方やアフリカ、アメリカ先住民の言語にはよく登場するらしいです。

 私たちの知っている子音と違うのは、この音が非肺臓気流の子音であるということです。日本語や英語にある子音は全て肺臓気流の子音というもので、肺から吐き出した息を使って発音しています。非肺臓気流の子音では肺で呼吸することなく気流を起こして発音します。

 この非肺臓気流には3種類あって、放出音・入破音・吸着音というのがあるのですが、このうち吸着音は舌打ちの音としてよく知られています。舌打ちの音が1つの音素として登場する言語があるって不思議ですね。

 説明だけでは分かりにくいと思うので、実際に放出音を聞いてみましょう。両唇放出音 - Wikipedia歯茎放出音 - Wikipedia軟口蓋放出音 - Wikipedia の3つを聞いてほしいんですが、それぞれ「p」「t」「k」の音にそっくりに聞こえると思います。なのでこれらの音は「p'」「t'」「k'」のような音声記号で表すことになっています。

 ただ、「p」の後に「a」が来ると「パ」のように発音されるところが、「p'」の後に「a」が来ると「プ あ」のような音になっているというのが違う点ですね。

 

放出音に挑戦!

 さっそく放出音に挑戦しましょう。放出音を出すには

1. 声門を閉じる

2. その状態のまま調音点で閉鎖を作り、圧力を上げる

3. 破裂させる

 というようなステップが必要です。何言ってんだと思うかもしれませんが、簡単にいえば「声門を閉じたまま、肺からの息を使わずに破裂音を出す」というようなイメージです。まあこんな説明でできるなら苦労はしないんですが、実際に発音してみた感触としては本当に「肺臓気流を使わないだけのただの破裂音」って感じなんです。

 まず 1. についてですが、声門というのは喉の一番奥にあって、「あ~」と発音したときに震える場所のことです。ただ、声門を閉じると言われてもあまりピンと来ない人が多いと思います。声門は奥の方にあるので、開いているのか閉じているのか分かりにくいんですよね。

 そこでやってみてほしいのが、「あっ」*2と言った直後の形をキープする練習です。毎回声に出して「あっ」というだけでかなりやりやすくなります。このとき喉仏が上がったまま固定されていればできています。*3

 あと声門を閉じるということは息の通り道を塞ぐことなので、やりすぎて窒息……はしないと思いますが、苦しくならないように注意しましょう。

 次に、放出音を出す前に「声門を閉じたまま口を動かす」ことを練習します。唇を開閉したり、舌の先端を動かしたりして、声門が開いてしまわないか(≒喉仏が下がっていないか)確認してください。

 ここまでできるようになったら、いよいよ放出音に挑戦します。「あっ」で声門を閉じたら、その喉の形をキープしたままで声門より上だけを使って内部の圧力を高め、破裂させます。

 このとき出す音は「p'」「t'」「k'」のどれでもいいですが、個人的なやりやすさは「t'」>「p'」>「k'」の順でした。人によって体感難易度が変わるかもしれませんが、私としては「t'」から練習するのをおすすめしておきます。

 先ほどのWikipediaの音声のように、母音をセットで言う必要はありません。放出音は声門を閉じたまま出す音ですが、母音は声門を開かないと発音できないので、こちらは応用だと思ってください。まずは放出音単体で発音できることを目指します。

 よくある失敗例として、破裂させた瞬間に声門の閉鎖が解けてしまってただの破裂音になってしまうことがあります。上手く発音できていれば、破裂の瞬間に(元から上がっていた)喉仏が一瞬だけさらに上がります。できていないと喉仏が動かないか、逆に少し下がってくるので判断できます。苦手な人にとってはなかなか難しいですが、音声を聞きながら何回も練習してコツを掴みましょう。

 放出音が言えるようになってきたら、何度も連続で言う練習をします。声門を閉じたまま5~10回言えるのを目標にしましょう。

 そうしたら最後に母音との組み合わせを練習します。綺麗に「トゥ あ~」のような発音ができるようになれば放出音を完全にマスターしたと言えるでしょう。

 

まとめ

 正直、最初のうちは声門を閉じたまま破裂音を出すのって無理じゃない?って思ってました。声門を意識すると音が出ないし破裂を意識すると息が漏れてしまったんですよ。声門を閉じつつはっきり発音するのはかなり苦戦しました。

 大事なのが音声をよく聞くことでしたね。うまく説明できないんですけど放出音特有の空気の響きというのがあると思うんです。そこを理解すると、練習中にも「今の音声そっくりじゃなかった?」っていうのに気付けるようになり、一気にコツを掴めた感じがします。

 人によってどれだけ苦労するかは変わってくると思うんですが、いろいろな説明を読んでもできるようにならなかった人の役に立てているといいですね。

 

終わりに

 次は入破音頑張ります

*1:なんならXを見る限り一瞬でできてしまった猛者も割といそう

*2:小さい「っ」は直後の子音によって音が変わりますが、直後に何もない場合は内破音の/ʔ/になりがち

*3:女性は分かりにくいと思うけど頑張ってください……

あ行・や行・わ行・は行の合流まとめ

 Wikipediaを読んでてもどの順で合流したか分かりにくいので自分用にまとめました。正確な時期とかまで合ってる保証はないので、雰囲気掴むだけならいいんですけどあんまり信用はしないでね。

 「𛀁」は見慣れないと思うんですけど「や行のえ」にあたる文字らしいです。古くに使われなくなったせいだと思いますが見たことすらないですね……。どうやら「江」を崩した字らしいです。ちなみにカタカナの「エ」も「江」由来なので、本来は「え」と「エ」って別の音だったみたいです。

 あと、は行は語中・語末の話ですね。語頭ではしばらく /ɸ/ 音が残ってたらしいですが、現在では /ha çi ɸu he ho/ みたいに「ふ」以外では音が変わっちゃってますね。

 「お」と「を」の合流は「い」と「ゐ」、「え」と「ゑ」の合流より1世紀くらい早かったみたいな記述もありました。そう言われると区別しづらい音から合流していったのかなぁと思ったり。

日本はなぜ発展できたか ※メモ用なので雑です

100%独自研究なので異論は認めます

 

・もともと江戸時代からそこそこ発展してた

 ・人口(5位)

  ・余剰労働力の存在?

 ・経済力(15位)

 ・教育(寺子屋

  ・高い識字率

 ・平和が続き産業が育つ

  ・商業

  ・手工業

・地理的要因

 ・島国

  ・防衛に向いている

   ・ずっと大和民族の国が続き戦争が少ない

    ・安定して繁栄

  ・海に近く貿易に有利

 ・温帯

  ・米の生産に最適で多くの人口を抱えられた

 ・欧州列強から地理的に遠い

  ・植民地化されるまで時間があった

 ・中国に近い

  ・その時代で最新の文化の輸入

  ・翻訳事業の経験(中国語)

  ・漢字の存在

   ・短く簡潔に意味を伝えられる

    ・近代化後に西洋の概念を翻訳するのに便利

  ・他国に学ぶことへの抵抗が少ない

 ・資源

  ・木材

  ・海産資源

  ・金山

・歴史的背景

 ・明治維新

  ・清すらアヘン戦争に敗北した危機感

  ・江戸時代からオランダとの貿易で西洋の知識あり

  ・天皇という全国民が認める君主の存在

  ・単一民族ゆえ近代的な国民国家ナショナリズム)に有利

   ・言語が1つ(アイヌ除く)なので統一的な教育が可能

  ・地租改正による税収の大幅改善

   ・大胆な改革に投資可能に

  ・お雇い外国人

  ・留学生

  ・学校教育の推進

   ・近代技術を理解する人材育成

  ・技術書の大量翻訳

   ・そのため辞書と新語の作成を国全体で行った

 ・戦後

  ・ドイツのように本土上陸されなかった

   ・政府機関やインフラがそのまま残った

    ・すぐに復興が開始できた

  ・分割されなかった

   ・中国の内戦、ソ連参戦の短さが理由

   ・旧東ドイツのように発展が遅れた地域がない

  ・冷戦

   ・中国、ソ連に近い最前線として大国である方が都合がよかった

  ・現在

   ・G7唯一のアジア国家として世界的な友好、信頼

   ・中国に対抗する西側諸国の最前線

ヨーロッパ人は隣の国の言語も理解できるらしい……?

 ヨーロッパ人は隣国の言語を知らなくてもなんとなく理解できるらしいという話を聞いたことがあって、半信半疑ながら調べてみました。

 

そもそもヨーロッパの言語は同系?

 ヨーロッパで話されている言語の多くはインド・ヨーロッパ語族印欧語族に属しており、もともとは約6000~9000年前に話されていた1つの言語(印欧祖語)から派生したと考えられています。*1当時はもちろん文字なんてないので、各言語での音の対応関係を探しながら理論的に証明されたものです。そのため単語や文法構造が類似していて、お互いの言語は比較的学びやすいと言われています。

 印欧語族はさらにいくつかの語派に分類されています。初めて見る人は何が何だか分からないと思いますが、とりあえず太字の3つだけ把握していればOKです。いわゆるゲルマン系、ラテン系、スラブ系といわれているもので、この3語派だけでヨーロッパ人の9割が使う言語をカバーしています。

印欧語族
  ・ゲルマン語派
  ・イタリック語派
  ・ケルト語派
  ・スラブ語派
  ・バルト語派
  ・インド・イラン語派
  ・ギリシャ
  ・アルバニア
  ・アルメニア

ヨーロッパの言語分布

 これがヨーロッパの言語分布地図です。ちょっと注意してほしいのが、あくまで各国で一番母語話者の多い言語しか表示していない点です。実際はもっと複雑で、1つの国で複数の言語が話されている例もあります。*2

 それでは、同じ語派の言語ならお互いに理解できるんでしょうか。

 

ゲルマン語派

 ゲルマン語派には英語やドイツ語など、日本人にも比較的馴染み深い言語が分類されています。ゲルマン語派の中では、英語・オランダ語・ドイツ語と、アイスランド語ノルウェー語・スウェーデン語・デンマーク語がそれぞれ近いようです。国ごとに通じるのか調べてみました。

イギリスとアイルランド

 どちらも英語なので通じます。アイルランドは数百年にわたってイギリスに支配された歴史があり、英語が広く使われているようです。憲法上はアイルランド語が第1公用語、英語が第2公用語ですが、実際はほとんどの地域で英語が日常的に使われています。

ドイツとオーストリアとスイス

 ドイツとオーストリア、スイス*3はドイツ語圏なのでそれなりに通じるようです。ただし、そもそもドイツ語は地域によって差が大きい言葉らしく、北部の低地ドイツ語と中南部の高地ドイツ語はかなり異なっています。オーストリア、スイスのドイツ語は南部のドイツ語と近いため北部の人には難しく感じられるようです。

ドイツとオランダ

 ドイツ語とオランダ語は似ているのでめっちゃ頑張ればなんとなく通じるみたいです。書き言葉はある程度分かるけどペラペラ早口で話されると無理くらいの感覚のようです。

イギリスとオランダ

 こちらも似た言語ですね。よくオランダ語は英語とドイツ語の中間と言われますが、オランダでも英語はかなり通じるらしいです。ただこれは、オランダにバイリンガルの人が多いからだと思われるので、英語を知っていてもオランダ語が理解できるわけではないと思います。*4

ノルウェースウェーデンデンマーク

 北欧3兄弟みたいな言語たちですね。お互いにある程度の理解ができるようですが、デンマーク語はモゴモゴと発音するので聞き取れないという声も。ちなみに同じ北欧でもフィンランド語は印欧語族ではないため大きく異なる言語です。

 

イタリック語派

 フランス語やスペイン語など世界的に使われる言語があるためゲルマン語派と並んで身近な言語たちだと思います。現在生き残っているイタリック語派の言語はすべて、古代ローマで話されていたラテン語の子孫*5です。*6古代ローマがどれだけの影響力を持っていたかを感じさせられますね。

スペインとポルトガル

 やっぱり気になるのはここですよね。ポルトガル人はスペイン語を結構わかるのに対し、スペイン人はポルトガル語はなんとなくでしか理解できないらしいです。スペイン語のほうが文法が簡略化されていて分かりやすいのと、ポルトガルでもスペインのTV番組がよく見られているのが影響しているようです。

フランスとイタリアとスペイン

 ちょっと厳しいです。お互いの言語を学んでいるか、本当に国境沿いの人でないと通じないと思います。*7

ルーマニアモルドバとそれ以外

 これは100%無理ですね……。もう一度上の地図を見てほしいのですが、イタリック語派の中でもルーマニア語だけは地理的に孤立して変化していったので、他のロマンス諸語と異なる部分が多いんです。ただ、ルーマニアだけでなくモルドバでもルーマニア語を話すので、そういった意味では隣国の人と会話できるとも言えますね。

 

スラブ語派

 ゲルマン語派やイタリック語派と違い、ロシア語以外は名前すら聞いたことない言語ばかりという人が多いかもしれませんね。

ロシアとベラルーシウクライナ

 この3つの言語は東スラブ語群に属し似ています。また、旧ソ連だったこともあり、ロシア語を理解する人が多いです。ベラルーシの場合、ベラルーシ語とロシア語が両方とも用いられており、ロシア語が母語という人も非常に多いです。冷戦終結以降のヨーロッパでは政治的にロシアと距離を置く国が多い中、ベラルーシはロシアと親しい珍しい国だというのも関係しているかもしれませんね。

 ウクライナは少し触れづらいのですが、地域によって大きな差があるようです。西部はほとんどウクライナ語しか使われませんが、東部ではウクライナ語とロシア語が両方とも使われているようです。*8ウクライナ語の文法はロシア語と似ている一方、ポーランドの支配も受けたことから単語はポーランド語とも類似しているようです。

チェコスロバキアポーランド

 かつてチェコスロバキアという1つの国だったことから、互いに方言程度の違いしかなく理解しあえるようです。特にスロバキア人はチェコ語の文章をよく目にするため、チェコ語もよく理解できることが多いです。ポーランド語も比較的近く、なんとなくであれば理解できるようです。

セルビアクロアチアボスニアモンテネグロ

 この4ヶ国の言葉が似ているのは聞いたことがある人もいるかもしれません。ユーゴスラビア時代はセルボ・クロアチア語と呼ばれて1つの言語とされていましたが、ユーゴ紛争で分裂してからは各国の人が別々の言語だと主張するようになってしまいました。とはいえ方言程度の違いであり、お互いの言っていることは理解できるようです。

 一目で分かる違いとしては、クロアチア語ラテン文字を使用するのに対し、セルビア語はキリル文字ラテン文字を併用しているようです。

ブルガリア北マケドニア

 マケドニアは言語的にブルガリアととても近く、マケドニアマケドニア語という言語だと主張するのに対し、ブルガリアブルガリアの1方言だと主張しており厄介なことになっていますが、いちおう会話は通じるようです。

 

バルト語派

 ラトビア語とリトアニア語が含まれます。スラブ語派と合わせてバルト・スラブ語派とも呼ばれます。

ラトビアリトアニア

 言語学的には近縁にある2つの言語ですが、意思疎通が図れるほどではないようです。同じバルト3国でも言語はバラバラですね。

 

その他

アルバニアコソボ

 どちらもアルバニア人が住みアルバニア語を話します。ただしアルバニア語のみで1語派を形成しているので他国の言語は理解できないみたいです。

フィンランドエストニア

 同じウラル語族フィン・ウゴル語派バルト・フィン諸語に属していますが、意思疎通は困難です。ただしエストニアの年配の方はフィンランド語を理解することもあるようです。文章で書かれていればところどころ理解できる程度の差だそうです。

 

まとめ

 ここまでヨーロッパ各国の言語事情に触れてきましたが、「ヨーロッパ人は隣国の言語を理解できる」というのはあながち嘘ではないのかもしれませんね。我々日本人は、日本語と一番似ている韓国語すら全然理解できないですし、同じ漢字を使っている中国語もせいぜいじっくり読んで単語が理解できる程度だからうらやましいですよね。

 ただ、あくまでも「なんとなくなら」「国境の近くなら」といった条件付きであることを忘れてはいけないですね。多少通じるとはいえ別物なので間違って伝わる場合もあるし、そもそも私の調べた情報源が誇張して書かれている可能性だってあります。

 あまり鵜吞みにせず「そうなんだ~」くらいに思ってくださいね。それでは。

*1:インドと付いていることから分かるように、南アジアでも印欧語族の言語が話されています。例えばインド北部のヒンディー語印欧語族です

*2:例えばベルギーでは北部でオランダ語(別名フラマン語)、南部でフランス語が話されています。国全体としてはオランダ語母語の人がやや多いので表の上ではゲルマン語派に分類されているだけです

*3:の北部~中部

*4:試しにオランダ語Wikipediaを覗いてみましたが、私の英語の知識ではまったく読めず……。英語版もあんまり読めてないだろって言われたらその通りです

*5:ラテン語の子孫をロマンス諸語といいます

*6:碑文などにはラテン語とは異なるイタリック語派の言語も残されています

*7:逆に言えば近くの地域同士なら通じるということでもあります。同じ言語から少しずつ分かれていったので方言連続体となっていて、でもパリとローマまで離れるとまったく別の言語になってしまうというのが面白いところですね

*8:ただし古いデータなので、今は大きく変わっている可能性もあります

【カラオケで歌いたい人向け】「熱異常」完全攻略!

 「熱異常」めっちゃ良い曲だからカラオケで歌ってみたい! と思ったんですけどあまりに難しすぎるので研究してみました。

 

 この曲がなんでこんなに難しいかっていうと、①歌唱が死ぬほど速い②音程が死ぬほど高い③リズムが死ぬほど難解の3つを兼ね備えているからだと思うんですよね。

 ①については、AメロがBPM183の16分メインなのでめちゃくちゃ速いです。計算上、初音ミクの消失の発狂地帯(BPM240の12分)よりも速いことになります。なのでこの速さに追い付けない人は、たとえこの後の内容を読んでもこの曲を歌えるようにはならないと思います。気合いで頑張りましょう!

 次に②についてですが、この曲の最高音はG#6らしく、*1人間が歌うには異常に高いです。具体的には、シャルルの「愛を謳って↑謳って↑」の「て」(A#5)より1オクターブ近く高いということになります。これも気合いで頑張りましょうね!

 

 ここからが本題で、③についてなんですけどこの曲ってリズム難でもあるんですよ。このリズムを攻略したい! っていうのが今回の趣旨です。

 この曲、大きく分けるとAメロとサビの2種類のパートしかないという珍しい曲なのですが、このうちサビは比較的リズムは取りやすく、問題はAメロになります。

 

 消失みたいにずっと同じ速さで歌い続けるだけなら(実際に歌えるかはともかく)覚えやすいのですが、熱異常の場合は不規則に1拍空いたり、逆に1拍に2文字を詰め込んでいたりする部分があるんです。

 ここまで早口な曲に難解なリズムを掛け合わせてしまうと、普通に曲を聴いているだけではリズムを把握することなんてできないと思います。

 

曲の構成

 この曲の構成はこんな感じになってる……と思います。私は音楽の専門家じゃないので合ってるか分かりませんが、なんか言ってることは雰囲気で伝わると思います。

 

落ちサビ1

Aメロ1(×4)

サビ1

(間奏)

Aメロ2(×2)

(間奏)

落ちサビ2

サビ2

Aメロ3(×2)

 

 このうち難解なのはAメロの部分なので、Aメロ1・2・3に分けて解説します。

 

Aメロ1

 1拍空ける部分は「」「で示し、2文字で1拍になっている部分は赤文字で示します。実際のところ1拍あいてるのか長音なのかはよく分かんないんですけどね。2文字で1拍っていうのも、「く」→「k」とか「す」→「s」みたいに脱力した発音になってるだけなのかもしれないです。

 

電撃と見まーごうような恐怖が血管のなかーにー混ざるー
微ー粒子の濃いけーむりの向こうに黒いくさり鎌がついてきている
消去しても 消去しても 消去しても 消去しても
消去しても 消去しても 消去しても 消去しても
無くならなーいの

とうに潰れていた喉 叫んだおとーは既にれーつを成さないでー
安楽椅子のうえー 腐りーきった三日ー月が笑っている
もう すぐそこまで すぐそこまで すぐそこまで 
すぐそこまで すぐそこまで すぐそこまで 
すぐそこまで すぐそこまで
なにかが来・てーいる

大声でー泣いた後 救いの旗に火を放つひとーとー
コーレクションにーキスをして 甘んじて棺桶に籠る骸骨が また
どうかしてる どうかしてる どうかしてる 
どうかしてる どうかしてる どうかしてる 
どうかしてる どうかしてる
そうささやーいた

みらい永劫だーれもがすくーわれる理想郷がーあったならー
そう口を揃えーたおとーなーたちが乗りーこんだふねーはー爆ぜた
黒い星が 黒い星が 黒い星が 黒い星が
黒い星が 黒い星が 黒い星が 黒い星が
彼らを見・てーいる

 

Aメロ2

 「自意識の海を泳ぐ 垂れ流した血の匂いが立ちこめる」のあたりは本家音源でも不明瞭な部分なのでよく分からないです。参考程度にどうぞ。

 

ひろいきれなくなる悲しみはーやがてながーれ落ちしおーになるー
いーのーり くるーしみ 同じょう あわーれみにーさえじーきに値ーがつくー
今 背を向けても 背を向けても 背を向けても
背を向けても 背を向けても 背を向けても 背を向けても
鮮明に聞こえる悲鳴が

幸福を手ばーなす事こーそ美学であるーと諭すさかなー
自意識の海を泳ぐ 垂れ流した血の匂いが立ちーこめる
黒い星が 黒い星が 黒い星が 黒い星が
黒い星が 黒い星が 黒い星が 黒い星が
私を見・ている

 

Aメロ3

手を取り合い愛し合えたら ついにかな・わなかった夢を殺す
思・考の成れ果て・ その中枢にはね・つ異常が起こっている
(あぁ) 現実じゃない こんなの現実じゃない こんなの現実じゃない
こんなの現実じゃない こんなの耐えられなーいの

とうに潰れていた喉 叫んだおとーは既にれーつを成さないでー
安楽椅子のうえー 腐りーきった三日ー月が笑っている
もう すぐそこまで すぐそこまで すぐそこまで 
すぐそこまで すぐそこまで すぐそこまで 
すぐそこまで すぐそこまで
なにかが来・てーいる」

 

結論

 無理